2014-04-16

気違いに刃物

家から徒歩5分の一階にあるスタジオはいつだって何が起こるかわからない。

今日、優しい蛇年の少年がお昼休憩に出かけ、
そろそろ私も帰ってお昼でも…と考えていたら
見知らぬ男が突然入ってきて
私の方に近づき、テーブルの上にあったJさんのアーミーナイフを手に取り
ナイフを取り出し私のほうに向けた。

男が入ってきてナイフを私に向けるまで僅か3~5秒。

男は私に「10元をください」と言い
「お金は持っていません」と答えたら

男は静かにナイフをテーブルの上に置いた。

男はゆっくり外のほうへ向かい、辺りを見渡し、そして商品を持っていってしまった。


男がナイフをもっていた姿にすっかりビビッてしまった私は
「返して」と言えずおどおどしていたら

向こうから優しい蛇年の少年が歩いてくるのを見つけ
「早くこっちに来て!」と叫んだ。

「あの人お店の商品持ってちゃったの。ナイフを突き出されて怖くてなっちゃって…」

私たちは男の後を追いつき
「お店のもの返してください」と男に言った。

男はとぼくれた。

少し落ち着きを取り戻した私はようやく男の姿を見ることができ。
男は帽子を2つかぶりズボンを2枚履いていた。
手にはなぞのアボガドみたいなドロドロしたやつを持っていた。

なに言っても通じなく
「ごめんなさい、ごめんなさい」とばかり言ってくる。

もういいよと少年と目を合わせスタジオに戻った。




Jさんが外回りから戻ってきて、お昼に起きたことを言ったら
案の定私は私の対応の下手さを叱しかられた。
なぜすぐに警察に連絡しなかったのか
なぜ黙って商品が持っていかれるのを見ていたのか
「誰にでも優しくしてはいけないと何度も言ってるだろう」と言い終わった途端、
テーブルにあったナイフを手に取り、
「あいつはまだ近くにいるかもしれない、一緒に来い」と連れ出され
近所を見渡したけど 男の姿は見当たらなかった。


男が持っていた黄緑色のドロドロしたやつはなんだったんだろう…
じゃなくて、落ち着いてみればどんな相手かすぐ判断できたはずなのに
ナイフを見ただけで足がガタガタ震えちゃうなんて情けない。
修行はまだまだ足りない。





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