2013-09-25

思い出はいつだって都合がよく出来ている



夜中に絵を描いていたらふと日本を離れる時に
ほとんどの作品を捨ててきた事を思いだした。
震災で実家に帰る事になった事を認めたくなかったから、
思い出になるものはほとんど捨ててきた。
あれから2年。
そうか、もう同じ絵は描けないんだと気づいた。
もうあの時には戻れないように、同じ絵はもう描けない。

昨日久しぶりに描いた絵はもう以前のように
感情をぶつけるだけではなくなった。少し寂しい気もする。
思い出を丸ごと捨てちゃうのも、なんだか寂しい。
これからはいい思い出も悪い思い出も全部大切にして行きたい。

ありがとう。
一人では作品は生まれないのだ。

ジュース屋さんのおばちゃん

さっき信号を渉っていたらとんとんって肩を叩かれたので
振り向かえったら知らない人で戸惑ったけど
「あ〜ジュース屋さんのおばちゃんだ」と次の瞬間思い出した。

そのジュース屋さんのおばちゃんと言うのは
会社の近くでつい最近オープンしたばかりのミックスジュース屋さんのおかみさん。
この間何だろうって思って入ってみたのだ。
野菜ミックスジュースを頼み、その場で飲み終わった帰り際感想を聞かれたので
いまいちでした」と答えてしまい、
なんで?どこが?と聞かれたので正直に答えた。
それで私の事を覚えていたと言うのが事の始まり。

「この間あなたに美味しいジュースを提供できないうえ、
アドバイスまでもらっちゃって申し訳ないと思ってお店の外から
あなたが通りかかるのを待ち構えていたのよ、
タケノコがあるから、食べて行かない?ヨーグルトは大丈夫?手作りのがあるわ。」
とお店まで引っ張られた。

雑談しながらたけのこ、ヨーグルト、マンゴーがテーブルに並べられ私はそれを平らげ、
「私でよければいつでも実験台になりますわ」と告げお店を出た。

不思議な人。

特別な日がくるまで

先々週の日曜日のお昼に弟がラーメンを作ってくれた。
私の中でインスタントラーメンは日曜日の食べ物なのだ。
日曜日に食べるインスタントラーメンってなんであんなに美味しいのだろう。

多分やっぱり日曜日ってどこか特別で、まだ私が小さかった頃
母も普段なら体に悪い物はよしなさい、ちゃんとした物を食べなさ
とか言ったりするけど「日曜日だからいいよ」なんて言ってくれたりもするからだろうか。

大場家での食べ方は人数分のラーメンをお餅とか野菜とかいっぱい大きな鍋に入れて、
出来上がったラーメンをみんなで鍋から直接自分の茶碗にその都度食べたい分だけ入れて食べると言う方式だ。
もちろん普通に一人分ずつどんぶりで食べる時もあるけど。

一人暮らしを始めて好きな時にラーメンを食べられるようになって何度か食べたけど
ラーメンはもう日曜日の特別な食べ物ではなく
ただ料理するのが面倒でお腹がいっぱいになればいいと言うだけの物になったしまい
6畳の小さなアパートで一人すするラーメンはなんだかみすぼらしくて情けない味がした。

久しぶりに日曜日に弟と鍋から食べたラーメンは麺は少し伸びていて私は食べたい分だけよそい
小さい頃特別の日にしか食べられない物があった事や、特別の日がやってくるのを待ち遠しかったあの日々を思い出していた。

小さな島 小さな国

高校三年間私は幼児保育学科に所属していてちびちゃんたちのお世話の仕方だとか
栄養、医療、教育など浅く広く一通り勉強していた。
そんな中教材作りの授業が一番楽しかった。
数とか形とか色とかの認識の教材をどんな授業の中でどんな教材が必要かを考えて実際に作るのだ。

高校3年の時に教材作りコンテストが全国の幼児保育科で行われた
私はクラス代表に選ばれた。他のクラスからも集まり、その中からまた学校代表が選ばれる。
訓練と言う程でもなかったのだけど、先生が準備した材料の中で、テーマをくじで引き、3時間で教案を考えて
教材を作ることを、何ヶ月かみんなと一緒にやってきた。

そろそろ一人に絞りますかと言う時に、私は先生に呼ばれ、こんな相談を受けた 「優ちゃんは日本の大学に進む予定でしょ?私たち先生の中であなたが一番の候補者だと思っているわ。
でもこのチャンスを台湾で進学する子に譲ってあげてくれないかしら?」と。
私はなにも深く考えずにいいですよと答えた。

今頃になってなんだか違うような気がするし私に対してもこのコンテストにとってもなんて無礼なんだと
エゴが暴れ回っている。

でも今だから怒れるし、これが現実なのかなと認められる。
というのは外国人がどんなに異国でがんばって、優秀で一流な技術を持っていても所詮外国人なのだ。
一番いい席はやっぱり自分の国の人に残してある。

小さな島で国でもない台湾でもしっかり現実世界が存在してるんだなと思った。

そしてたどり着く先は







昨日デッサンのクラスにて。

前に座ってる子、私が初めてここに来た時隣に座ってた子。
スケッチブック見せてもらった事もある。

あの子の後ろの席だったので後ろからあの子の絵をこっそり覗いてみたら
すごく上手になってた。コツを掴んでちゃんと波に乗ってる感じの絵だった。
初めて会った時が5月、6月だったんだけど、きっとあれから毎週ちゃんとクラスに来てたんだと思う。

その間、私はふらふらと歩き回りながら、いろんな言い訳を見つけてきてはデッサンから逃げていた。
今日はヨガをやりたい気分だとか、今日は友達と会うからとか、今日は調子が悪いとか。

基礎は大事だって事は十分承知しているつもりだったけど、あまりにも地味すぎて一体いつまで続けるんだろうと嫌になってしまう。私はもっと自由なクリエイトがやりたいのに。

意味あんの?何のために?って声が聞こえる。

でもあの子の絵の変わりようを見ていたら、体を鍛えるのと同じで、きっと意識した分だけ、しっかり答えてくれるんだなと思った。

やるかやらないか。
そこに個性も才能も理由も何も必要ない。

私を勇気つけてくれる人はいつだってこうやって静かにやるべき事をやってる人たち。

なんて美しい人



こんな風に美しくタボコを吸えるなら
私も吸ってみようかしら...

うっとり















座ってるだけでも美しい人に
私もなりたい。