2016-06-15

そうだった




















「よし、今から甘えよう!」と
いちいち決心するのが面倒になって

昔からの癖を引っ張り出して
布団に包まってシクシク
息を殺してひっそり
泣く

ばれないように

一人でいじけている方が、
ずっとずっと楽だ

「どうしたの」と
隣から聴こえて来る
ほんとにしつこく

いつもみたいに
さっさと寝てしまえばいいのに

そしたら朝が来る
いつもの
何事もなかったかのような朝が

隣から自分を責める声が聴こえる
「それは違うよ」と言った

誰のことも責めたくない

また布団に潜り込む

誰のせいにも出来ない孤独感
自分すら責められない絶望感

私は誰に、どんな風に、何を、
伝えればいいのだろう

隣はやはりそわそわしている
寝息はまだ聴こえてこない

手を伸ばして
少し触れたら
確かにあって

腕を伸ばして
抱きついたら
確かに暖かい

そうだった
もう一人でこっそり
泣かなくていいんだった

暖かい胸の中でポロポロ涙を流す

一人でこっそり
シクシク泣くのは
今日で最後にしよう

暖かい胸の中に身を委ねる


0 件のコメント: